春風の花を散らすと見る夢は覚めても胸のさわぐなりけり(西行)
春霞の東大寺、花吹雪の中で描きました。
去年の桜散る頃、父が写生から帰ってきて、描いてきた絵を見せてくれました。白っぽいもやもやした絵だなーと思いました。
今、あらためて見てみると、この絵は、春風の匂いにつつまれた、あたたかい空気が胸いっぱいに広がるような絵でした。
散りゆく花びらのなかに、本物の花びらが混じっています。
わかりますか?→拡大画面で探す。絵をクリックしていってください。
世の中に たえて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし(在原業平)
訳:もしこの世の中に、まったく桜というものがなかったならば、さぞかしのんびりした心で春を過ごせたであろうになぁ。桜のことが気になって仕方がない。桜とは心騒がせるほど美しい。
少し違う意味ですが、父も桜を描くのに大忙しの今日この頃です。
桜の花びらの微妙な色合い、その薄さを表現するのが難しいそうです。