池田清明展(大作展) 笠岡市立竹喬美術館

岡山県笠岡市にある、笠岡市立竹喬美術館で池田清明展が開催されています。

今回の展覧会は、父のこれまでの画業を振り返る、特別な展覧会。
23才ころに描いた「カブトガニのある静物」を始めに、64才の現在まで約40年間の作品を紹介しています。「回顧展」というと画家の一生を振り返る展覧会という意味が強いようで、“まだ若いのに”と言われるのですが、実に回顧展と呼ぶにふさわしい内容なのです。中心となるのは、毎年出品する一水会展と日展の作品(100号~120号の人物画)です。
そのほか、研水会展出品の人物画小品や、母校に寄付したふるさと風景など65点を展示しています。

竹喬美術館は、父の郷里である笠岡の市立美術館で同郷の小野竹喬の美術館として建設されたものですが、市立美術館として様々な企画展が開催されています。​

今回の池田清明展、何が特別かというと、すでにお嫁入りしてしまって手元を離れた絵を借りてきてまで展示をしてくださっていること。市立美術館の企画展として、大きな予算をかけての展覧会なのです。竹喬美術館館長の上薗四郎先生(学芸員で小野竹喬の専門家)はじめ、学芸員の徳山亜希子さん他、竹喬美術館にお勤めのみな様のたいへん丁寧な作業の末、日本全国から集めての展示です。
そして一番はやはり、快くお貸しいただいた所有者様方のご協力あってこそ、このような展覧会ができることとなりました。

第一室

昔の絵も変わらず生き生きとしているのはモデルのみな様が素晴らしかったから。
半数近くの絵のモデルは、父が学校へ勤めていた頃にモデルをしてくださった教え子の方々です。
父はただ、そこに喜んでモデルをしてくれた彼らを、青春まっただ中の若い人を写生しただけと言います。
ほどよい緊張感を持ちつつリラックスしている様子の彼ら。
きっとそこには、絵描きとモデルが協力して制作が進んでいくというような充実した空気が流れていたことと思います。

第二室

一同に並んだ作品の、時代を追っての展示を眺めていますと、絵を中心に生きてきた父の半生が見えます。
一年に二枚の大作。一点、一点、力を尽くした作品たち。
父の努力、母の協力。
そして、小学生の頃から夏休みにはモデルを務めてきた私と妹の沙絵子にとっても、私たちのこれまでの人生です。

第三室

会期が長いので、多くの方々にお運びいただきたいと思います。

​講演会の様子。たくさんの人で講演室に入りきれません。

池田清明展
笠岡市立竹喬美術館

住所:岡山県笠岡市六番町1-17
電話:0865-63-3967

今後のイベント
上薗四郎館長による講演会「池田清明と現代洋画の人物表現」 6/21(日)13:30~15:00 聴講無料(要入館料) 要申込
池田清明によるギャラリートーク 6/13(土)・27(土)・7/12(日)13:30~14:30 聴講無料(要入館料) 申込不要
竹喬美術館学芸員によるギャラリートーク 5/30(日)・7/5(日)13:30~14:30 聴講無料(要入館料) 申込不要

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