季節の楽しみ

今、アトリエに飾ってある絵を紹介します。
       

琵琶湖・近江舞子水泳場の夏の風景です。

「三年ほど前に、湖北を描いて欲しいという注文で、琵琶湖に出かけました。その道中、松原の美しさにひかれて車を止めました。
浜辺に出てみると、まさに 白砂青松 。
水泳を楽しむ人々がにぎわい、その背景に松林がのび、遠くには比叡の山々が見えています。
日陰もなく、暑い日差しの中での制作でした。
夏になると、この絵を出して掛け変えます。      清明」

 衣替えをしたり、旬のものを食したりする楽しみがあるように、壁に飾った絵も季節のものに掛け変えるという楽しみがあります。
好きな絵をいつもそばに飾っておくというのも一つの楽しみ方ではありますが、季節によって、また気分によって時々絵を掛け変えると、新鮮で輝いて見え、とても生き生きとした気持ちを与えてくれます。

 父の風景には人の温もりを感じます。たとえ画面の中に登場人物がなくとも、人の生活のにおいがします。
 絵というのは、映画のようにあらかじめ作られたストーリーを展開させて楽しませてくれるものではないけれど、絵を見たとき、心の中に物語が浮かび、音楽が流れるような絵でありたいというのが、父の風景を描く思いです。

 うちでは、お客さんによっても、その方の出身地の絵があればその絵に掛け変えてお迎えしたりしています。


「瀬戸の海」 -父の故郷、岡山県笠岡市神島です

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