「野の花スケッチ」2021 一水会展

昨年のコロナパンデミックで、一水会も昨年82回展が中止となりました。一水会は昭和12年に第一回展が開催され、以来今日まで続いています。その間、開催が見送られたのは第二次世界大戦中の昭和19年、20年、昨年はそれ以来三度目の開催見送りでした。

今年出品する作品は、昨年開催を想定し用意していたので、できています。二十代の頃から一水会に出品し始めて以来、搬入日以前に作品ができているなんてことは初めてです!

そこで今回は、その作品について前もってブログで発表しようと思い立ちました。展覧会前にブログで発表するというのは、まるで映画の前宣伝のようです。

この絵のストーリーを知っていただいた上で絵を鑑賞していただくというのも、いつもと違った面白みがあるのではないかと思います。展覧会場で初めて見た方が驚きがあるという考え方もありますが、このような発表のしかたも悪くないでしょう。

次女沙絵子は、大阪芸大の日本画科にすすみ、大学院まで終了しました。沙絵子が絵を描く姿は何度か大作にも描いています。

清夏 F100 2008年
桃を描く F100 2018年

以前は室内で描く姿でしたが、今回は屋外でスケッチをしている姿を描きました。

我が家の裏山は、鎌倉市の緑地指定帯になっていて桜の大木が何本もあり、春は居ながらにして花見ができます。桜が終わったのち、その下にシャガが群生し、白い絨毯ができています。​

初夏の午後、緑蔭の中、木漏れ日がモデルを照らし、絵になる情景を発見し、これを描くことに決めました。それから1ヶ月半、この場所に100号のキャンバスを運び制作をしました。シャガの花が終わり、下草が次第に伸び、光の差し方も変化します。その変化を追いかけながら描き上げました。​

制作途中の動画をご覧ください。鳥のさえずりと樹木の間を抜ける爽やかな風の中での制作は、とても気持ちの良いものでした。

深い緑を背景に、木洩れ陽に照らされるモデルの肌色や、ブラウスの白とのコントラストが印象的で、それを追求し完成としました。

完成 ​

野の花スケッチ F100

第82回一水会展概要

本展

期日:2021年9月19日(日)-10月5日(火)
※最終日は13時札止め14時閉会。
9月21日(火) 10月4日(月)は休館日
会場:東京都美術館(ロビー階、第1・第2・第3・第4展示室)
入場料:800円(学生無料)

大阪展

期日:2021年11月9日(火)-14日(日)

会場:大阪市立美術館

金沢展

期日:2021年11月24日(水)-11月28日(日)

会場:金沢21世紀美術館

名古屋展

期日:2021年11月30日(火)-12月5日(日)

会場:愛知県美術館ギャラリー(愛知芸術文化センター8階)

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